博多駅前 大規模な陥没事故
11月8日の朝、福岡県福岡市のJR博多駅前で、道路が縦横およそ30メートルにわたって大規模に陥没する、
という事故が起こりました。
陥没したのは、市営地下鉄の延伸工事現場で、
この工事が陥没の原因だということでした。
掘削法
トンネルの掘削法には主に、周囲を補強しながら、硬い岩盤を掘り進む 「 ナトム工法 」 、
軟らかい地層に、円筒形の掘削機を押し込んで、
壁面を固めながら掘り進む 「 シールド工法 」 、
地表から直接掘り進める 「 開削工法 」 があります。
なお、ナトム工法の費用は、シールド工法の半分以下になります。
現場では、深さ約25メートルの岩盤層を、ナトム工法で掘り進んでいました。
陥没原因
福岡市交通局によると、岩盤層の上には、粘土層や地下水を含む砂の層があることがわかっていて、トンネルの上に岩盤層が
厚さ2メートルほど残るようにして、掘削する計画でした。
ところが、掘り進めるうちに、岩盤層の上部の 「 福岡層群 」 という地層が
大きく上下に波打ち、計画通りでは、
一部で岩盤層が1メートルほどになることが判明。
地下水が漏れないよう、トンネルの天井部を1メートル下げるよう、
今年8月に設計を変更していましたが、それでも事故は起きてしまいました。
直接の死者や怪我人が出なかったのが幸いですが、
東京や大阪などの大都市でも、地下深くまで地下鉄が走っています。
鉄道工事だけでなく、下水道管の老朽化などもあり、
道路の陥没は全国的に多発していて、今回のような事故が、
どこでも起こりうるものだということを、忘れてはいけないでしょう。
ここから朝礼ネタ
先日、福岡県博多駅前の道路が、30mにわたり陥没するという事故がありました。
陥没現場の地下では、地下鉄の延伸工事が行われていて、
その工事の掘削が事故の原因だと見られ、
軟弱な地層に対する対策の甘さが指摘されています。
これだけ大規模な陥没が起こったので、メディアにも大きく取り上げられ、
皆の知るところとなりましたが、
この地下鉄工事で、過去にも二度、同様の事故が起きていたそうです。
一件の大きな事故の裏には、29件の軽微な事故、
そして300件のヒヤリハット ( 事故には至らなかったもののヒヤリとした、
ハッとした事例 ) があると言われます。
仕事におきましても、大きな事故につながる前に、
ヒヤリハットを感じた時点で、しっかりとした対策をとれるように、
心掛けていきたいと思います。
ハインリッヒの法則
1つの重大事故の背後には、29の軽微な事故があり、その背景には300の異常 ( ヒヤリハット ) が存在するというもの。
法則名の由来となった、ハーバート・ウィリアム・ハインリッヒという人物が、
ある工場で発生した労働災害を統計学的に調べ、計算し、導きだした法則。
重大事故の防止のためには、事故の発生が予測された、
ヒヤリハットの段階で対処していくことが必要です。
また、ハインリッヒは、労働災害全体の98%は予防できる、としています。
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